こんにちは!
バイオリンを学んでいると、誰もが一度は「重音がうまく鳴らない」という壁にぶつかります。今回はそんな悩みについて、じっくり掘り下げてみようと思います。
バイオリンを始めてしばらく経つと、楽譜に「重音(2つ以上の音を同時に鳴らす奏法)」が登場します。バイオリン教本などでも中くらいのレベルになると重音も多く、美しい重音が求められる場面が多いものです。
しかし、実際に練習してみると──
「片方の音しか鳴らない」
「ガリガリして音が汚い」
「音程が不安定になる」
と、思い通りに音が出ずに苦戦してしまう方が多いのではないでしょうか。実は私もその一人でした。重音は、単音のとき以上に音の出し方にシビアなコントロールが必要です。今回は、そんな重音の悩みを解決するための原因分析と練習のヒントをまとめました。
■ 重音とは何か?
まずは「重音」について簡単に整理します。
バイオリンの重音とは、2本以上の弦を同時に弓で鳴らす奏法です。見た目は簡単そうに見えても、単音と違い2本の弦に均等にエネルギーを伝える必要があり、音を美しく響かせるためには正確なフォームとコントロールが求められます。
単音は「指1本、弓の操作1つ」で済みますが、重音では「複数の音程」「左右のバランス」「ボウイングの角度と圧」「弓の速度と位置」など、複数の要素が同時に正確でないと綺麗な音が出ません。
■ 重音がうまく鳴らない主な原因
では、具体的にどんな原因で「音が鳴らない」「綺麗に響かない」のでしょうか。よくあるポイントを整理します。
① 弓の角度がずれている
重音は、弓の角度が少しでもズレると音が途端に不安定になります。単音ならごまかせるズレでも、重音では片方の音が鳴らなかったり、雑音が混じったりしてしまいます。
理想は、2本の弦に弓の毛が均等に触れる角度。A線とD線の重音ならその中間位置を狙いましょう。特に鏡を使った確認がおすすめです。
② 弓圧がアンバランス
重音は「押しつけて鳴らす」のではなく「弓の重さを弦に預ける」感覚が重要です。力で弾こうとするとガリガリと汚い音になりやすいですし、力を抜きすぎると音がスカスカになります。
弓の重さを2本の弦に均等に伝える意識を持ち、腕の重さを利用して響きを作りましょう。
③ 左手の指が不安定
重音は、左手の音程も大きなポイントです。片方の音が微妙にズレるだけでも、和音が濁って美しく響きません。
特に指の形が変わりやすいポジションチェンジや、隣接弦の「5度」の押さえ(例えばA線とD線を同じ指で押さえる場合)などでは、指の置き方を意識することが大切です。
■ 綺麗な重音を鳴らすための練習法
では、どうすれば安定した美しい重音が弾けるようになるのでしょうか?私が実践して効果的だった方法をご紹介します。
① 単音練習を丁寧に行う
重音練習のスタートは、実は「単音の確認」です。重音の両方の音を片方ずつ弾き、音程や音の出方をしっかり確認します。
上級者の重音練習では必ずしも必要ない場合もありますが、基本的には指は重音を押さえたまま、弓だけを1音ずつゆっくり弾いて確認します。このときに左右のバランスを耳でしっかり確認しましょう。両方の音がクリアに鳴れば、左手の押さえは合格です。
② 鏡を使って弓の角度を確認する
重音の練習中は、音だけでなく「視覚」でフォーム確認するのも大切です。鏡の前で自分の弓がどの角度にあるのか、重音の中心に均等に毛が当たっているかをチェックします。
この習慣は、意外と自己流のクセ修正に効果抜群です。
③ 弓の重さを感じる練習
「力を入れる」のではなく「重さを感じて弦に預ける」。この意識を持つことで、音の響きがガラリと変わります。
特に重音は、弓の力加減がシビアです。音を響かせることを意識しながら、ゆっくりボウイングしてみてください。
④ ゆっくりしたロングトーン練習
速いパッセージやリズムの中で弾く前に、まずはゆっくりと音を伸ばす練習を繰り返しましょう。重音の響きをじっくり耳で味わいながら、どのポイントで音が美しくなるのか体感することが大切です。
⑤ 左手の音程を耳で整える
チューナーではなく「耳」を使って音程を整えるのも、重音攻略のカギです。特に純正律の響きを耳で覚えることで、音程感覚が鍛えられ、和音の響きが自然になります。
「心地よい響き」を探す耳の感覚を育てることは、バイオリン演奏全体にも良い影響を与えます。
■ 重音は「音と音の会話」
私自身、重音練習を続ける中で気づいた大切な感覚があります。
それは「2つの音が会話している」という感覚です。
ただ同時に2音を出すだけではなく、
- 音程が寄り添っているか
- 響きが互いに調和しているか
- 弓の流れが自然か
こうした意識を持つことで、音楽的にも説得力が生まれます。特にバッハ無伴奏ソナタやパルティータでは、重音の美しさが音楽の表情を大きく左右します。練習のときも、「一つの音楽として聴く」ことを意識してみましょう。
■ 最後に:焦らず、じっくりと
重音は、バイオリンの演奏技術の中でも「成長の階段」を実感できる難関ポイントです。しかし、じっくりと丁寧に練習を積み重ねれば、必ず美しい音が出せるようになります。
もし練習で行き詰まったときは、ぜひ先生や上級者に音を聴いてもらいましょう。自分では気づきにくいクセや力の入れ方を、第三者が一言アドバイスしてくれるだけで世界が変わることもあります。
焦らず、音を楽しみながら「重音」をマスターしていきましょう。バイオリンの響きは、努力の先にあるご褒美です。
それでは、素敵な音楽ライフを!
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